マネックス証券より、「米国預託証券(CHA·CHL·CHU)を保有されているお客様へ」という案内が届きました。
取引が停止されたまま、宙ぶらりんになっていたCHA、 CHL、CHUの3銘柄について、原株式への転換が再開されたので、希望する場合は必要書類を出してください というものです。
というわけで、本日は本件について、過去の経緯から手続き書類の内容まで、一通りご案内したいと思います。
過去の経緯から
2020年11月12日、まだトランプ大統領だった頃に、一部中国企業への投資の制限が、執行命令13959Q&Aという形で発表されました。
Executive Order 13959 of November 12, 2020
Addressing the Threat From Securities Investments That Finance Communist Chinese Military Companies
これにともない、ニューヨーク証券取引所において、
- チャイナ・テレコム CHINA TELECOM CORP LTD ADR (CHA)
- チャイナ・モバイル CHINA MOBILE LTD SPON ADR (CHL)
- チャイナ・ユニコム CHINA UNICOM HONG KONG ADR (CHU)
この3銘柄の取引が、2021年1
また、原株式(中国市場に上場している株式)への転換も制限され、「保有しているだけ」という状態が続いていたのです。
ADRについて簡単に説明
ここでADRについて簡単に補足をさせていただきます。
ADRとはAmerican Depositary Receiptの略で、米国預託証書のことです。
ADRは米国外の外国企業、あるいは米国企業の外国法人子会社などが発行する有価証券に対する所有権を示す、米ドル建て預かり証書のこと。
ニューヨーク証券取引所に上場されているものもあり、通常の米国株式と同じように売買ができます。
例えば日本企業の株式を買いたい米国人投資家にとって、日本の株式を直接買い付けるには不便が多いですが、ADRの形態を取ることで簡単に取引ができます。米国の株式市場では、日本企業のADRだけでなく、中国企業やインド企業のADRも取引されており、日本国内の証券会社を通じてそれらを売買をすることもできます。
SMBC日興証券サイトより引用
「有価証券に対する所有権を示す、米ドル建て預かり証書」とあるとおり、取引しているADRは株式そのものではないのですが、そのバックに裏付けとなる株式は存在し、それを「原株式」と呼んでいる感じです。
発表の内容は?
ADRの原株式への転換について、現地保管機関より、上記3銘柄については香港市場に上場す
これを受け、当社では、当該ADRを保有されているお客様で原株
式への
転換依頼を希望される場合はお受けすることといたしました。
つきましては、転換依頼の手続きに関するご案内及び転換依頼書を、
お客様の登録住所宛てに郵送いたしましたのでご確認ください。
とのことでメールでの案内と郵便物が届いた次第でした。
ADRから原株式への転換の手続きは?
マネック証券の場合、郵送されて来た「米国預託証券転換依頼書」に必要事項を記入して返送するだけです。

6月24日 (木) 【必着】
本人確認書類の添付が必要な模様です。
転換に関わる注意点は?
案内文にあったなかから抜粋してご案内しますと、
- 原株式の転換を行った場合、 転換後の株式は当社のお客様の外国株取引口座に入庫します。
- 外国株取引口座に入庫後は、 当社中国株取引サービスにて売買可能となります(米国株と しては取引できなくなりますので予めご了承ください。)
- 転換手続き完了までに米国市場において取引が再開された場合であっても、手続き館内は 当該ADR の売却注文はお受けできませんので予めご了承ください。
- 転換にあたっては転換をご希望される ADR数に応じて転換処理費用がかかります。 (1ADR あたり5セントの転換処理費用がかかります。)
- 本依頼書に基づく転換後の株式は元の預託証券の預かり口座区分に関わらず、すべて外国株取引口座の一般口座に入庫されます(特定口座はご選択いただけません)。
ということです。
- 中国銘柄として以後取引
- 手数料がかかる
- 一般口座になる
ということですね。
早速転換を申し込みます
一般口座というのが面倒くさい感じですが、必要事項を記入して、早速申し込むことにしました。
ただ私の場合、チャイナ・モバイルは、31.45ドルで2株だけ保有しているのみなので、果たして転換がちゃんっとできるのか若干謎です。
結果はまた当ブログでご報告できればと思います。
以上、ご参考になりましたら幸いです。