この記事を読んでいただくと、
- 積立投資が推奨される理由
- 投資先と証券会社の最適解
- いくら積み立てるのがベストか?
がわかります。
積立投資とは?
みなさん、割とこんな風だったりしませんか?
そこでまずは、「積立投資」ってなんなのか?から説明します。
預金や財形貯蓄も積立
例えば、「毎月1万円、銀行・郵便局に預金・貯金」する。
コレ、実は積立投資です。
サラリーマンの方で、会社の財形貯蓄をやっていて、毎月決まった額が給与から天引きされる というのも積立投資なわけです。
と思った方、ちょっとお待ちください。
次の2点について、確認してみましょう。
チェック①:自動的に決まった額を積立しているか?
貯金を思い浮かべて欲しいのですが、貯金するお金って最初にとっておかないと、
とかなっちゃいますよね。
それと同じで、必ず、「自分の意思に関わらず、資金が投資に回る」ようにしておきましょう。
口座から自動引き落としや給与天引きになっていればこのチェックポイントはクリアです。
チェック②:利回りは十分にあるか?
まず「利回り」について説明します。
少しわかりにくく感じる部分ですが、簡潔明瞭にご案内します。
利回りとは
投資したお金に対しての利益の割合(パーセンテージ)です。
100万円投資して、5万円の利益があれば、利回り5%ということになります。
ちなみに、
「利息」「利子」とは
銀行等にお金を預けたり、逆にお金を借りた場合に、金額と期間に応じてもらえたり、支払う必要があるお金 です。 ※こちらの割合は「利率」と言ったりもします。
さて、
ぜひ調べてみて欲しいのですが、きっとこんな数字だと思います。
0.001% あるいは 0.002%
利回りは通常は1年間の「年利回り」のことを指しますので、上の例ですと、
100万円に対して1年で、10円または20円 の利息がつく ということです。
と言いたくなりますよね。
積立しても、預金や財形貯蓄では、ぜんぜんお金は増えない
これが結論です。
なので、同じ積立でも、もっと利回りの高いモノに投資する必要があるわけです。
どのくらいの利回りを目指すべきか
5%〜7%くらいが目標です。
例えば、100万円の投資をして、1年後に105万円に増えたとします。
この場合の利回りが5%です。
と思った方、怪しい投資話に騙されないように注意しましょう。
とか、言ってくる人がいれば、100%詐欺師です。
月3%ということは、年間で36%にもなります。
利回りは年で表現するのが普通です。
- 言ってる利回りは年でいくらなのか?
- 年換算した利回りは異常に高く無いか?
をきちっと確認しましょう。
美味しい話って殆どありません。
また仮にあったとしても、それが普通の個人に来ることはまず無いです。
ちょっと痛い目に合う程度でも避けたいところですし、場合によっては
ってことも起こりえますので、十二分に注意しましょう。
金利とインフレの関係にも注目
と感じた方もいらっしゃるでしょう。
でも、お金って、持ってるだけでは減るのです。
その理由について述べていきます。
お金の価値が減るってどういうこと?
正確には、
「1万円」という額面が減ることはありません。減るのはお金の価値です。
例えば身近な例を挙げると、
- 昔100円で買えた自販機のジュースが120円になった
- 90g入っていたポテトチップスが60gになった
こういうことです。
同じ金額で買えるモノの量が少なくなった=お金の価値が減った
「インフレ」という言葉を耳にすることがあると思いますが、上の例のような状況がまさにインフレです。
インフレとは
インフレーションの略。私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(=物価)が、ある期間において持続的に上昇する経済現象。
インフレは悪いことでは無い
「インフレ」と聞くと悪いイメージを抱く方も少なからずいると思いますが、「インフレ」=悪いこと ではありません。
日本銀行の黒田総裁が、会見で「物価上昇率2%」という話をされているのをお聞きになったことがあると思いますが、「景気の拡大をともなうインフレ」は「良いインフレ」といいます。
良いインフレとは
商品の価格の上昇→企業が儲かり業績が良くなる→社員の給与アップ→人々がもっと商品を買うようになる→商品がさらに売れて企業がもっと儲かる
という好循環をいいます。
途上国の金利が高い理由
物価の上昇と金利の上昇は一般的に連動します。
途上国の普通預金金利が、5%とか6%など、高金利なのをご覧になったことがあると思いますが、これはそうした国で「景気の拡大」が起こっているためです。
金利の高い分、物価も良いインフレで上がっている というわけなのです。
なぜ積立投資が推奨されるのか?
以上お金が何もしなくても価値が目減りする話をさせていただきましたが、ではなぜ、投資なかでも積立投資がオススメされるのでしょうか?
結論からいうと、
誰にも投資したモノが将来どうなるか予想できない
からです。
この先の経済状況、株価がどうなるかは誰もわからない
毎年年末年始になると新年の経済や株価の予想がされますが、どうなるかなんて誰にもわかりません。
- 過去の(似たような時期の)状況
- いまの状況
をもとに、
なんて、予想をしているだけ なのです。
現に2019年も、日経平均30,000円予想はありましたが、2020年はご存知のような結果となりました。
「リーマンショック」や今回の「コロナショック」みたいなことは、当然といえば当然なのですが、誰にも予想できるものではありません。
それゆえに、
時期を分散して投資する=積立投資
が有効なのです。
経済が完璧に右肩上がりであれば一括投資が有効
このあと経済が、なんのショックも起きず、右肩上がりだとしましょう。
その場合は、一番最初に「どかーん100万円」といった形で投資をした方が有効です。
でも、いつ・どんなショックがあるかは上で書いたとおり誰にもわかりません。
そのため、毎月一定額を定期的に積立ていくことによって、結果的に、
- 株価が高いときには、少なめに
- 株価が低いときには、多めに
購入することができるため、買い付けした単価が、平準化される というわけです。
この手法のことを「ドルコスト平均法」と呼びます。
ドル・コスト平均法とは
株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。定額購入法ともいう。金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。例えば「予定資金を12分割して、月末ごとに資金の1/12を投入し、一年かけて全量を買う」という手法。
<ウィキペディアより引用>
積立期間の長さも重要
いくら平準化されるといっても、期間が短いと、今回のような●●ショックの影響が大きくなります。
よく最低でも、20年とか30年とか言われるのはそのためです。
また期間を長くすることは、もう1つ大きな理由・メリットがあります。
それが「複利効果(ふくりこうか)」です。
複利効果とは
運用で得た収益(利子や配当金)を引き出さず、そのまま投資にまわすことで、さらに、その収益部分にも利子や配当金がつき、それがどんどん積み重なっていくという効果をいいます。
「複利」では無いことを「単利(たんり)」といいます。
100万円を年利3%で運用するという、簡単な数字で実際に比較してみましょう。
- 単利:
1年後103万 →2年後106万 →3年後109万 →10年後130万 →20年後160万円 - 複利:
1年後103万円 →2年後106.1万円 →3年後109.3万 →10年後134.4万 →20年後180.6万円
100万円という金額を20年間放置したままでも、20年だとこれだけの差が出ます。
コレが追加で入金のある積立投資なら、もっと大きな差が生じるというわけです。
積立する商品もさらに重要
とはいえ、「ダメな商品」にいくら投資しても、お金は増えるどころか減ってしまいます。
ですので、商品選びはさらに重要です。
そのとおりです。
なので、「正解」はなく、現状考えられる「最適解」を選ぶ ということになります。
投資先の最適解は米国S&P
S&PはS&P500株価指数と呼ばれるアメリカの主要市場に上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される指数です。
この500銘柄に分散して投資できる商品があります。
まず最初はこの商品を購入するのがもっとも無難と思います。
なぜS&P500が無難なのか?
以下のチャートをご覧ください。

2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックで暴落しても、ほどなく回復する強さがこのS&P500にあるのがお判りいただけるのではないでしょうか。
全世界へ投資、中国やインドは?
そうした国々を対象とした商品もありますが、
- 経済・政治などの不安定要素
- 株式市場の解放が不十分
- 経済成長と株価上昇は必ずしも連動しない
といった点で米国株には劣りますし、少なくとも初めて積立する方にオススメできるものではありません。
ある程度投資に習熟したら考えてみるのはいいと思います。
こちらは一理あります。
実際に全世界を対象に積み立て投資を行っている方も数多くいます。
それでも米国のS&P500を一番にオススメした理由は、
- 全世界に投資しても、そのうち60%が米国株
- 米国企業は、全世界を相手にビジネスをしている
からです。
ただここは好みの問題でもありますので、次にご紹介する具体的な銘柄で、「全米」ではなく「全世界」を選択するのもアリです。
証券会社・投資商品・投資額は?
最後に、私が個人的にオススメする証券会社・銘柄・投資額のご案内です。
証券会社は楽天・SBI・マネックス
楽天証券、SBI証券、マネックス証券のいずれかにしておきましょう。
個人的には楽天証券がオススメです。※理由は後述します。
間違っても、絶対に、銀行や証券会社の窓口に行ってはダメです!
上で書いたダメな商品を紹介されます。
投資信託で投資すること
S&P500に連動した投資信託を書いましょう。
具体的には、このどちらかでいいと思います。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
なお、上で書いた「全世界」でいきたいという方は、
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
が無難です。
投資信託をオススメする理由は、上で書いた「複利」の効果を得られるからです。
投資信託には、分配金の「受取型」と「再投資型」がありますが、
再投資型を選んで分配金を再投資し、複利効果を享受
するのが大切です。必ず「再投資型」を選択しておくようにしましょう。
積立額はできれば50,000円/月がオススメ
積立額は個々人の投資できる範囲で大丈夫です。
大事なのは、
毎月一定額を必ず投資し、なにがあっても継続する
ことにあります。
「長期継続」が積立の肝なので、無理のない続けらえる金額で設定しましょう。
そのうえで、もし可能であれば、月50,000円の積立をオススメします。
楽天証券+楽天カードで積立すると
楽天証券で積立をして、引き落としを楽天カードにすると、500円/月まで積立額にプラスされるのです。
私もやっている手法なので、実際の画面をお見せします。
2018年12月から積立をはじめて、2020年12月末現在の状況です。

分配金は「再投資型」で、毎月月初に自動積立(買い付け)する設定にしています。
さて、この引き落としですが、これも実際の画面をお見せします。

このとおり、積立は50,000円/月なのですが、カードの引き落としは49,500円です。
なにが起こっているいうと、
- 楽天ポイント分(1%)=500円が差し引かれて引き落とし
- 積立には、500円がそのままプラス
ということなのです。
このポイント付与は上限が500円です。
そのため、50,000円/月積立できれば、ポイントが上限額の500円分もらえるのでお得というわけです。
以上、長々と書き連ねましたが、タイトルにあるとおり、迷わず1日でも早く始めるのがポイントです。
以下大事なところをまとめてみましたので、まだ積立投資をはじめていない方、ぜひ一歩踏み出してみることをオススメします。
- 積立は毎月一定額を自動で
- 利回りは高すぎても低すぎてもダメ
- インフレでお金は実質目減りすることを理解
- 経済・株価の行く末は誰も読めないので積立で平準化
- S&P500連動の投資信託が最適解
- 絶対に銀行や証券会社の店頭では相談しない