この記事を読んでいただくと、
- IBMがしようと考えていること
- 分社化ってどういうこと?
- IBM株を保有している場合の各証券会社の扱い
などがわかります。
IBMの分社化のプレスリリース
こんな内容になります。
[米国ニューヨーク州アーモンク – 2020年10月8日(現地時間)発] IBMは本日、お客様のデジタル変革を促進するためにハイブリッドクラウドの成長戦略を加速することを発表しました。さらに、IBMはグローバル・テクノロジー・サービス事業のマネージド・インフラストラクチャー・サービス部門を新しい公開会社として分社化します。これにより、お客様や株主にとっての価値を高めるための戦略と柔軟性を備えた、業界をリードする2つの企業が誕生することになります。
今回の分社化は、IBMの株主には非課税の分離新設として実施され、2021年末までに完了する予定です。
私も、ほんの少しながらマネックス証券さんでIBM株を保有しています。
というわけで、マネックス証券さんに問い合わせをしてみました。
IBMのやろうとしていることを簡単に
IBMは100年以上にわたる歴史のある老舗の企業です。
現在同社の製品・サービスは、大きく分けて4つの領域で構成されています。
IBMの4つの事業領域
- システムズ事業:
メインフレームなどのハードウェアを扱う - クラウド&コグニティブ・ソフトウェア(C&CS)事業:
クラウドサービスおよびソフトウェアを扱う - グローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業:
顧客事業の観点でコンサルティングやBPO、システム開発・保守サービスなどを手がける - グローバル・テクノロジー・サービス事業(GTS)事業:
製品保守とインフラのマネージドサービスを行う
この内、今回の分社化の対象は、④のGTS事業の一部になります。
IBMのGTS事業とは?
ざくっり言うと、ここは「ITインフラの構築・運用」を請け負う部門です。
日本でいうと、SIer(エスアイヤー)さんが近そうです。
今回の分社化は、IBMの製品やサービスも引き続き取り扱うものの、ITインフラの構築を行う際に、その選択肢として、他社のITインフラ・競合製品もカバーするということのようです。
つまり、
- アマゾン社:Amazon Web Services(AWS)
- マイクロソフト社:Microsoft Azure
このあたりですね。
IBMともパートナーシップを結んで、IBMの既存顧客も維持しつつ、他社製品のユーザー企業を新たに獲得し、収益の拡大を目指すということを狙っているものと思われます。
分社化とは?
分社化について簡単に説明します。
分社化とは
会社の一事業部門を分離独立させ子会社を作ること。
- スピンアウト:元の組織や会社との関係が切れるもの
- スピンオフ:元の会社の支配下にはないが関係を持ち続けていくもの
という2パターンに分けられる。
新会社はIBMの連結対象から外れます
上で書いたやろうとしていることから判断すると、今回はスピンオフということになりそうです。
ですので、IBMの連結対象(IBMの決算の際に、決算書に連結子会社として載る)ではなくなる形です。
通常分社化した場合、子会社の株は親会社の株主(IBMの株主)に分配されます。
こうした企業が行う財務上の意思決定は「コーポレートアクション」と呼ばれます。
コーポレートアクションとは
コーポレートアクションとは
本来は「企業活動」という意味。
金融の世界では、その中でも有価証券の価値(株数、価格など)に影響を与える企業の財務上の意思決定を指します。
具体的には、株式分割、株式併合、株式移転・交換、合併等が該当します。
コーポレートアクションがあると、一般的に、株主にとってはちょっと面倒くさいことが起こるケースが多いです。
「2021年末まで」なので、まだ1年先とちょっと気は早いのですが、
ということで、マネックス証券さんにお問い合わせをしてみたのでした。
マネックス証券ご回答
聞き方が悪かったこともあり、結果2回に分けてのお問い合わせ・ご回答となりました。
マネックス証券 ご回答①
現時点での報道では、IBMの分社化の発表がございましたが、具体的な日程など詳細については未定です。
分社化ということになれば、一般的にはスピンオフといった形でお客様の保有株数に応じて、新会社の株式が割当てられるかと存じますが、詳細は未定となります。
実際のコーポレートアクションは、ウェブサイトの最新情報などでご案内をいたしますので、こちらのご案内をお待ちいただきますよ
うお願いいたします。
ってことかと思います(笑)
特定口座から一般口座へ払い出し
実は聞きたかったのは、「特定口座」から「一般口座」へ払い出しが行われるのでは? という点についてで、その回答をマネックスさんからいただきたかったのでした。
というのも、
SBI証券の場合
お客さまが特定口座で保有されている外国株式で、スピンオフ、買収・合併(株式交換・現金交換等)、ライツイシュー、資本返還、ETFにおけるキャピタルゲインの配分等の権利処理が発生した場合、当該株式残高は一般口座に振替えられます。
<以上SBI証券WEBサイトより引用>
楽天証券の場合
特定口座で保有している外国株式は、コーポレートアクションが発生した場合、内容によっては一般口座に払い出した後、コーポレートアクションの手続きが行われます。
<以上楽天証券WEBサイトより引用>
といった記載が、SBI証券・楽天証券ではあったため、マネックス証券での扱いを確認したかったのでした。
マネックス証券 ご回答②
聞き方が悪かったにもかかわらず、丁寧にご回答をいただきました。
新会社の株式が割当てられる(スピンオフ)場合、そのケースによって異なりますので、
現時点では、お答えできません。特定口座から払出しとなる場合もございますので、予め、ご理解いただきますようお願いいたします。
との回答でした。
他の証券会社の扱いから考えて、払い出しの可能性は高そうですね。
まとめ
マネックス証券さんにはいつも丁寧なご回答をいただき感謝です。
あまり取り上げる方は多くないのですが、無料で米国株のリアルタイム株価も見れますし、個人的には割とオススメ、米国株のメイン口座にしています。
一般口座だと損益計算が必要
「特定口座」にすると、証券会社さんに方で、毎年きちっと損益等計算してくれて、確定申告用の資料も準備されるわけですが、一般口座だと、これを全部自分で行う必要があります。
なんです。
まあ、まだ1年あるので、その間に考えますが、
場合によっては一度売却して、その後、IBMは配当目的で購入している株なので、配当利回りを見ながら買い直す
のもアリかなぁと思っています。
以上、IBMの分社化に伴う保有株の扱いについて、マネックス証券さんへ問い合わせした回答をまとめてみました。なにがしか参考になりましたら幸いです。
- IBMは2021年分社化の予定
- 分社化されるのは、ITインフラの構築事業
- AWSやAzureなど他社製品も扱う模様
- 分社化はスピンオフ
- IBMの株主には新会社の株式が交付されるが、一般口座になる可能性が高い
米国株の最新ポートフォリオです。ほとんどがマネックス証券で保有している株です。
